常設展示

主屋

主屋外観

主屋(おもや・しゅおく)は東棟と西棟からなり、資料館として開館する前の解体復元工事の際に発見された文化八年(1811)の墨書銘から十九世紀初頭の町家建築であることがわかり、当時の様子を再現するかたちで復元工事が行われました。枚方宿を代表する歴史的建造物として、枚方市の有形文化財に指定されています。

摺り上げ戸
主屋表口の板戸は、現代のシャッターのように、上部に押し上げて収納できます。屋根裏の滑車とおもりで、板戸が持ちあがる仕組みです。開き戸や引き戸のように、板戸が壁にならず、表通りに対して広く空間がとれるため、開放的な店構えになっています。

カマヤ
カマヤとはカマドを含んだ調理場のことです。通常、町家では家の裏手や土間の奥の人目につかない所に設けられます。しかし、鍵屋のカマヤは表通りに面しています。これは煮売屋などの商売をしていた家に見られる造りです。街道を通る人を呼び込めるように、また、温かい食事をすぐに客にだせるようにという配置の工夫だと考えられています。

ダイドコロ
料理の配膳をするための場所です。足をひっかけて転ばないように、段差のない広い板間になっています。ダイドコロの奥(裏手側)には、帳場があり、利用客はここで会計をしました。ツシ(中二階)にあがるための箱階段を見ることができます。

ヒロシキ
トオリニワと座敷の間には、縁側のような細長い板縁が設けられています。この場所は船を待つ客などが利用した休憩・待合所です。昼間は座敷に通じる襖や障子を開け、広い船待ちの空間として、開放していました。

トオリニワ
表口から裏口まで通り抜けられるようになっている長い土間は町家建築の特徴のひとつです。鍵屋の表口は京街道の往還筋に面し、裏口は淀川船着場へ抜けられる中庭と木戸に通じていました。三十石船の利用者は、このトオリニワを通って船着場へ、あるいは京街道へ抜けていたのです。

西棟・居室
西棟は鍵屋主人の居住スペースとして使われていました。